40人が本棚に入れています
本棚に追加
JUDGE31:ζとγ
なるほど。それでここにγさんが……。
ちらりとγさんに視線を移す。先程同様に彼は無表情のまま私を見下ろすだけだった。
「γ。お前の役目はζの護衛だ。それと、彼女の質問にはなるべく答えてやれ」
JUDGEさんの声に反応してγさんは「わかった」と迷いなく頷いた。何故か私から視線を外さずに。
「ζ、何か困ったことがあれば俺の書斎に来るようにしてくれ」
そこまで言って「では」と踵を返そうとするJUDGEさんを私は慌てて引き留める。
「あ、あの!氷翠は、弟はどこに……」
「相沢氷翠はしばらくの間こちらで預かる。申し訳ないがもうしばらく待っていてくれ」
「あ、はい……」
色々言いたいことはあった。
どうして預かるんですか。
預かっている間は会えないんですか。
いつになったら会えるんですか。
けれど、私はそれらの言葉を全て飲み込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!