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「ねぇ、ビーワン。私ケントくんに嫌われた。男子の中で一番気が合うし、一緒にいて楽しいし、大好きなんだけど、今日サッカーしてるとき喧嘩した。ケントくん、怒らせちゃった」
「ドウシテデスカ」
ミクは目線を落とし、ランドセルを背負ったまま、ゆっくりとソファに座った。
「ケントくんって男子の中でサッカーが一番上手で、クラスの人気者で、カッコいいの。ケントくんが笑ったり喜んだりする顔が見たくて、サッカーも一生懸命やった。
でもね、私がディフェンスで、ケントくんがフォワードのときーー。ケントくんのボールを殆ど阻止したの。最初はただ悔しがっていたけど、そのうち点数に繋がらないことを他の子にイジられたら〝何でお前がここにいるんだよ〟って言ってさ。それで私、1回だけ取れないフリしてケントくんのボールをスルーしたら、見事シュートが決まったの。あっちのチームは凄く喜んだのに、ケントくんは私のところに来て〝何でちゃんとやんねぇんだよッ〟って怒鳴ってさ。それっきりサッカーに呼ばれなくなっちゃったんだ」
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