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正門に設置された時計の針は8時23分を指す。未来はランドセルを左右に揺らし、誰もいないグラウンドを駆けぬけた。残り2分に賭ける。階段は1段とび……だ。25分を知らせるチャイムがミクの背中を押した。
「セ、セーフぅ〜。ハァ、ハァ……」
「みく〜。おはよう。どうした? 今日は」
「何だよ、神楽。休みかと思ったよ」
スー、ペタン、スー、ペタンといつもの音が聞こえてくると図体の大きな担任が入ってくる。クラスのざわめきは一瞬にして静かになった。
「きりーつ、れい。おはようございます」
「あーー。全員いるな。えー、今日は伝達事項が何もないのでこのまま授業に入ります。はい、パソコン立ち上げて」
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