第1話「ペンギン登場」

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 たまたま通りかかった現代文の先生によって保健室へ運び込まれた主将。よかったね。 「じ、じゃあ脱がすわね! ぬふふ!」  骨折してないか確認するため、保健室の先生にズボンとパンツを下ろされている男。  プルンプルンのお尻が電気に照らされて輝いている。  これがバスケ部主将で校内屈指のモテ男か……。 「えへい! えへいっ!」  保健室の先生(57)が主将のお尻をぺちぺちと叩き始める。骨折の確認だよね……?  叩かれる度に「おへ!」っと奇妙なうめき声を上げる主将。  保健室にいるのが気まずくなった私は、そそくさと退散することにした。 「それじゃ私はこれで!」  そういやぁ主将さんの用ってなんだったんだろ? そんなことをボーッと考えながら、保健室から立ち去ろうとすると……。 「ま、待って! 僕と付き合って」  いきなり告白された。  保健室のベットでうつ伏せになっている男に告白された。  お尻を丸出しにした男に。 「あらま! うふふ」  保健室の先生(57)が笑った。  その様子を見て思った。そっか。これはきっとジョークなのねと。 「あらま! あはは」  私も笑った。 「あらま! ひひひ」  彼も笑った。 「笑うな! やめろぉ! くそぉ! 笑うな。」  ペンギンが怒った。  あんたね、次、私の回想に入ってきたら殴るからね。
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