49人が本棚に入れています
本棚に追加
唐突に夢から引きはがされ、同時にガバリと上体を跳ね起こす。冷や汗でぐっしょりになったTシャツ。激しい動悸がしてそれまで自分はギリギリの呼吸で眠っていたんだと認知する。更に体は金縛りの後のように軋んでいた。
酷く 疲れた 。
パタンと布団に倒れ込むと下半身が妙に疼いていて、自分が勃起していることに心底げんなりした。さすがに抜く気にはなれないけど。
けど、まったく収まる気配がない。
「っち、痛ぇ」
ゴロンと転がるとカーテンの隙間から夕陽が差し込んでいるのが見える。もう起きなければ。
シミのできた下着の上からカリをなぞる。触れるだけ、なぞるだけ。下半身が重だるい、僕、最後いつ抜いたんだっけ。
シャーワーを浴びて支度して、店に降りて開店準備しなけりゃならない。時間がない。時計と相談、5分なら可能だと判断。
ガチガチのペニスを優しくしごく。布団にくるまったまま吐く息が熱くなっていくのが分かる。油断すればさっきの能面が脳裏をかすめる。気持ちがいい記憶だけを選んで射精する事だけを考え握ったナニをしごく僕。
徐々に射精欲が込みあがって来た時、不意に獣医の顔が浮かんだ。浮かんでしまったら仕方がない、僕は彼に抱かれながらあっけなく射精した、ティッシュの中に。
「まじか」
ビュルビュルと勢いよく出まくる精子に我ながら引いたが、それよりあのデカいクマのような男を求めるように腰を振っていた自分に引いた。
僕の頭はどうかしたんだろうか。いやいや、どうかしてるのは分かってるけど。こじらせすぎて僕は僕の内面を整理できていないようだ。
最初のコメントを投稿しよう!