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午後三時過ぎ、窓から園児と母親が手を繋いで歩いてくるのが見える。お互い横を向き目を合わせ話しながら笑って過ぎていく。片手になにやら新聞紙を丸めて作ったらしい細長い棒を大きく振りながら過ぎ去っていく。
午後三時過ぎ、君の声に欲情した僕は視界に入るテントを張った股間を見た。スマホを肩と耳で挟み過ぎ去る親子を横目にパンツを腰までずり下す。ブルンと現れた見慣れたペニス。ペチンと弾くと思わず“うっ”と声が出た。
「そっか、そっか。で?何してんの?」
語尾が優しい、妙に柔らかい口調。カシャンとジッポを開いた音がした。
オイルの匂いが脳裏を霞む。
「ゴロついてる。で、直立ちんこ眺めてる、なんかお前の声聞いてたら勃ったし。どうにかするよね?」
尻に力を入れたり緩めたり、ブンブンと前後に揺れるペニス。ついでに穴も緩めたり絞めたりのトレーニング。男も女も締まりが良いにこしたことはない。
「ちょ、おまえはったく…変な事言うなよ俺、職場だぞ。しまえ、すぐしまえ。お前の事だカーテンも閉めねぇでフルチンかましてんだろが。まじ、今すぐしまいなさい、ただちにだ」
分かってる、もうすぐ休憩終わるよな。ってことはこの電話ももうすぐ終わり。
「はーい、つまんないねまったく君は。言いつけ通りパンツにちんこしまったんだけど。今夜も話せるよな」
パンツにしまわれふたたび股間でテントをはる僕のペニス。出番はなさそうだ、はやいとこ収まれ。
「つまんないとか言うな、へこむだろーが。悪い子だなぁまったく。夜はダメ。な?」
知ってる。ダメを知ってる。君のダメはテコでも動かない不動のダメ。僕すら寄せ付けない強固なダメ。
「けちくそ。……もー行く?」
今吸ってるタバコを消したら仕事に戻る。そしてまた次の連絡を待って待って待ち焦がれる僕。
「おう、行く、いい子にしてろな。……春馬好きだ、すげ、忘れんなね」
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