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“１４歳少年　白昼の繁華街でキレて殺人”　朝刊に大きく飾られた見出し。少年は被害者に突然襲い掛かりナイフで何度も切り裂いた。その様子を目撃した通行人は声を揃えて悪魔の仕業だ、人間ができることじゃない、恐ろしい子。口を揃えてそう言った。

ニュースでは○○大学教授で少年犯罪に詳しいらしい男性の真面目な顔が写り、不安そうな女性キャスターと、渋い顔をしてどうしたものかと質問を並べる男性キャスターの姿。
週刊誌もこぞって近年凶悪化する少年犯罪について何ページも特集を組んだ。

普通の子が突然キレて人を殺す。バーチャルではなくリアルな人間関係を作れないから。ゲームばかりして現実と仮想の区別も付けられない。自分の意見をはっきり言えないから。根本的な生活習慣が悪い。感情のコントロールができない。とにかく自己中。そんな子は落ち着きがない、集中力もない、心も空白。そもそも親が悪い、食事も悪い、全部悪い。

悪い悪い悪い。全部悪い。少年法など即刻失くし、そんなどうしようもない人間は子供だろうと死刑にしてしまえ。

悪い事をしたのなら子供だろうと罰を与えてしかるべきだ。

罰を

殺せ

殺せ

殺せ

世間を騒がせた彼が少年院仮退院者となって特別少年院から世間に放たれたのは僅か数年後の事。

これが僕。