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カロリーだ。脂肪だ。
自分の身体で、また新しい脂肪が生成されたのだ。
その瞬間、彼女の後ろにいたはずの自分は、ずあっと一気に彼女に引き寄せられた。そして彼女の体内に潜り込むようにして、自分と彼女は同じになった。
見れば、捲くったスウェットの袖から出ている腕は、少女漫画のヒロインなんかのようではない。ボンレスハムのように太く、ゼラチンでできているかのようにぶよぶよだ。
今食べた麦チョコの分だけ、確実に太った。
「ああ……やっぱり自分だったか」
少し、泣いた。
了
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