いーち

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キーンコーンカーンコーン アイスも食い終わって、亜紀の書類整理を手伝っていた俺はチャイムの音で手を止めた。 時計を見ると短い針が12を少し過ぎたところにある。 もうそんな時間か。 ……昼飯。 「なぁ、亜紀ー。食堂いこうぜ」 「……」 声を掛けてもまったく反応無し どうやら仕事モードに入ると周りが見えなくなるタイプらしい。めんどくさいタイプだ。 しゃーない。コイツの分まで俺が食ってきてやるか。邪魔しちゃ悪いしな、うん。 「そんじゃ、ちょっくら行ってくるわ」 カードと生徒手帳をポッケに突っ込んで亜紀に一応声を掛けて生徒会室を出る もちろん反応は無い あいつって変なとこで真面目だ ──────────────── ぐぅぅう〜 あー腹減ったぁ 食堂どこだぁ? 確かここ曲がったとこだったような……違う。じゃぁこっちか!……違う。こっち?……違う。 ………皆さん大変です。道に迷いました。 しかも周りに道を聞こうとしても誰もいません。なんでやねん。 実を言うと俺、極度の方向音痴なんです。 いつもなら、1人の時はスマホで地図を見て場所に辿り着くんだけど(学園内です)、生憎そのスマホはさっき作業してた机の上。 最悪だ。 一生食堂に辿り着けねぇとか。 餓死する。詰んだわ。
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