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2.変化
「そんなに俺に気をつかわないでいいんだよ?」
健介が起きたので、二人揃って朝食中。
テーブルの向かい側に座っている京香は、僅かに表情を曇らせる。
「迷惑、でしたか?」
「そんなことない。けど、京香ちゃんが大変だったり、負担がかかってたら悪いなって」
「負担だなんてそんな。……私は健介様に、頼っていただきたいのです」
「そっか」
京香は、健介と同い年の女の子。
二人共、ただいま高校一年生。入学したて。そして、同じ学校に通っている。
京香は決してメイドさんだの、家政婦さんなわけではない。
実は、由緒正しい家柄の、お嬢様なのだった。
「我が侭を言って、ごめんなさい」
二人は幼なじみ。
お互いの父親が親友同士だった関係で、二人は物心つく前に出会って、そしてよく遊んだ。
家柄。身分の違い……。そんなもの、二人にはどうでもよかった。
気心知れた仲だったはずなのに、いろいろあって、何かが変わってしまった。
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