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4.衝撃の事実
「実はね。近々、京香が日本に帰ってくることになったんだ」
和泉おじさんの説明に、そうなんだと頷く健介。
「そしてだな。ここからが本題なのだが。京香ちゃんはこれから、この家に居候することになった」
親父の説明に、そうなんだ~と適当に頷く健介。
「へ~。……って、何だって? ちょ、ちょい待ってよ親父! 滅多に家に帰ってこないくせに、年頃の男女二人、一つ屋根の下に居させるってのか? 非常識だろ? いくらなんでもさ!」
「まあまあ健介くん、落ちついてくれ。これには事情があるんだ」
「え?」
「まず、一つ知っておいて欲しいことがある。……京香はね。君の事を大変慕っているんだ。何年たっても疎遠になっても、忘れてなんかいないよ」
「……」
「そしてもう一つ。これはね。京香自身が望んだことなんだよ」
幼なじみの女の子が、俺と一緒に暮らしたい。そう望んでいる……。
健介は、夢でも見ているのではないかと思った。
「君たち二人は、小さい頃によく遊んだだろう?」
「いやまぁ、それはそうですけど。でもその、それこそ思い出補正ってやつで、出会った瞬間にがっかりするんじゃないすか?」
和泉おじさんは、そんなことはまるでないと、頭をふった。
そして親父の口から、とんでもない事実がさらりと表明された。
「ちなみにずっと言い忘れていたんだがな。京香ちゃんは、お前の許嫁なんだからな?」
「は?」
イイナズケ? ……それは、福神漬けの一種かな? カレーと一緒に食べるやつかな?
「なんじゃそりゃ~~~~~~~!」
そんな重大なこと、言い忘れないでくれと、健介は思うのだった。
「あーなんだ。健介。お前、他に彼女でもいるってのか?」
その心配は、まるで無用だ。
「いねえし! いるわけねえし!」
「じゃあ問題ねえな。よかったな!」
「うん。京香も喜ぶよ!」
がっはっはと豪快に笑う親父と和泉おじさん。
果たして、これからどうなってしまうのだろうか?
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