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はじまり
昼前ごろに俊也は由依の家を訪れていた。
エプロン姿で台所に立つ由依を見ていた俊也はこの日は普段とは違い娘もいないし今はこの密室に由依と二人きりだということもありいつもとは違う感情を抱き始めていた。
二人は昼食を終え、由依はその後片付けの為に再び台所に立つ。
「俊也くん、ゆっくりしていってね。私は洗い物片付けるから」
由依が俊也には背を向ける形で洗い物をしながら話していたその時、背後から優しく由依を包み込む様に俊也の腕が由依を抱いた。
「きゃっ……な、何? だめよ俊也くん…」
「………中里さん…」
俊也は由依を振り向かせると両肩に手をやりそのまま由依の唇を少し乱暴に奪った。
俊也の舌が由依の唇を裂く様に中に入り込みそれが由依の舌と絡まり合う。
しばらくしてお互いの唇が離れた時はお互いの唾液が糸を引く様に繋がっていた。
「ぁあっ……」
夫とはここ数年、この様な濃厚なキスはなかった。もちろん単身赴任先から帰って来た時にセックスはあったがここ最近ではそれもかなり淡白なものになりつつあった為、久しぶりの激しいキスに由依も思わず没頭してしまったのだ。
「こ、こんなこと……俊也…くん……」
由依が言い終わる前にもう一度、唇を奪い言葉を遮る俊也。
いやらしい音を立てながら由依の唇を吸い、舌をねっとりと絡める様な長いキスに由依は次第にうっとりとした目になり自らも俊也のキスを求めた。
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