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「………」
幻覚か? 疲れすぎてダブって見えているのか?
混乱するが、そもそも既に頭の働く状態ではない。
一匹は、俺と目が合うともう一匹の背後にさっと隠れた。相当人見知りのようだ。
とりあえず、ややこしいので先住の犬を一号、新しいのを二号と呼ぶことにした。
と言っても毛が汚れているくらいでほとんど違いがない。
二号は一号の最初の状態ほど汚れていなかった。近づくと、びくっと跳ねあがったが逃げはしない。そっと抱き上げて、同じように濡れタオルで拭ってやる。
ほとんど同じような毛色、毛質の子犬だった。
牛乳と以前買ったまま食べられずに放置されていたドッグフードを与える。警戒しながら近づき、恐る恐ると言った様子でぺろりと口をつける。一号ほどの勢いはないものの、飲み始めてほっとした。
やはりドッグフードのほうは見向きもしないが。
二号をそのままにして、俺はリビングを離れると久しぶりにフライパンを引っ張り出すことにした。
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