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目の前では推定5,6歳ほどの少年が、小首を傾げてこちらを見上げていた。
柔らかそうな白っぽい金髪に澄んだ大きな青い瞳。ぶかぶかのワイシャツはおそらく俺のものだろうが、その点を除くとまさに天使という表現がぴったりだ。
が、彼の頭の上には対になった三角形の耳が生えていた。
あまりに異様な光景に、思わず瞬きを繰り返すが、まったく消える気配もない。
――いよいよヤバいぞ、俺。エナドリの飲み過ぎか?
「どーしたの?」
はっと意識を引き戻すと、すぐ側で少年が覗き込んでいた。
「あ、ああ……」
掠れた声を絞り出しながら、視線は彼の頭に吸い込まれる。
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