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翌日、早朝に起きてみると、まだソファの上で眠っていた。支度をしながら、ミルクと水、トイレ用にと一応タオルを敷いておく。あまり期待はできないが。 悩んだ末、エアコンも調整してつけて出た。朝晩は涼しいが、昼間はまだ暑い。窓を開けていくことも考えたが、六階という高さもあるので危険と結論付けた。 長居させるつもりはないと言いながらも、ほとんど休憩も取らず一心不乱に仕事して、いつもより早く――と言っても日は暮れてしまった――退社する。毎日立ち寄っているコンビニで自分の晩飯と一緒に、ドッグフードを買い込んだ。 「ただいまー」 帰宅するとそいつはリビングにいた。ソファの中央が相当お気に入りのようで、俺が帰っても顔を上げただけで動こうともしない。 「ほら、餌買ってきてやったぞ」 コンビニの袋を振ると、やっとのっそりと起き上がる。まるで年寄りだ。 新しいおもちゃに浮つく子どものように少しそわそわしながら、買ったばかりの子犬用の餌を差し出してみた。奴はふんふんと鼻を近づけていたが、それで興味が失せてしまったようにこちらへ顔を向けた。 何かを訴えるように丸い瞳で見つめられるが、そんな顔を向けられても困る。 好みじゃなかったか? と期待していた反応を見られずがっかりしていると、突然、俺のほうへ飛びかかってきた。 「どうしたっ?」 声を荒げる横で、そいつは俺の側にあるコンビニの袋を漁ったかと思うと、パスタを食らっていた。 「俺の晩飯!」
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