白の孤独

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彼がこちらに手を差し出す。 彼女は窓のへりを越えた。 彼の手を掴む。 一瞬、遥か彼方にある地面が見えてとっさに、落ちる、と思い彼女は反射的に目を閉じてしまった。 けれど、彼女の体が地面に叩きつけられる事はなかった。 目を開けたら目の前に彼がいて、微笑んでいた。 彼女の背中には望み通り翼があった。 彼の手を取り、彼女は遠く高く、霞む月へと翼をはためかせた。
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