黄金劇場の主役 Sentence.1

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 どうやら今回の公演で注目の女優が主演として壇上に立つようです。  記事では口辛い批評家や有名な鬼監督が認めた女優で、その長い黄金の金髪が特徴だと書かれています。さらに彼女のプロフィールも掲載されているが、出自も年齢も一切不明で『ミステリアスクイーン』とも書かれていました。  それを見たシャルルは口を尖らせてこう言いました。 「私の方が絶対可愛い……」  何とも自己顕示が激しい少女です。  どうやら勝手に対抗意識を持ち、自分の黄金の巻き毛の毛先を触りました。さらにフリルが沢山ついたピンク色のドレスの裾を見ました。  怪訝そうな顔をして向かいに座るデビル・ハンターに目を向けました。  赤い双眸の瞳は興味なさそうな感情を映しています。 「自分を可愛いって言う奴に可愛いって言うのはふりでしかない」 「えー! 女の子なら当然でしょ。もう少し可愛くした方がいいですよ」  デビル・ハンターは足を組みました。  大剣を背負い、男物のブーツと赤黒い染みが付いたワイシャツを着ています。それだけでなくワイシャツの袖を肘上まで捲り上げ、乱暴そうな印象があります。さらにさらに、髪の毛もボサボサでした。  その恰好にシャルルは眉を顰めます。
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