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誰が見ても青年と勘違いしてしまいます。
しかしデビル・ハンターは鼻を鳴らし、「興味ない」と一言だけでした。
他愛無い会話をしているとガタン、馬車は遂に止まりました。ドアからコンコン、とノックの音がして馬主がドアを開けました。
目的地のフェルニンスに着いたそうです。
馬車から降りた二人は深呼吸しました。水の臭いが風に混じり漂ってきました。
停車駅には地図が掲載されている掲示板がありました。見ると街は中央に噂の黄金劇場があります。それを見たシャルルは指を差し、気迫のある顔をデビル・ハンターに向けました。
「行きましょう! 観ましょう! そして、私の方が可愛いって証明します」
「おい、今日変だぞ? 遊びに来て――」
シャルルは強引に腕を引っ張り、黄金劇場の方面へと歩いていきます。
どうやら相当気にしているようです。彼女は毎朝高級のシャンプーとリンスを使い、髪の毛を手入れしています。誰よりも美意識は高いです。
しかし不思議ですね。美意識が高い人が何故、魔導書集めでもしているんですかね。
歩くこと二十分後、黄金劇場の全体像が見えてきました。ドーム状の屋根も外装も全てが黄金で出来ています。その劇場の前に人だかりが出来、多くが女性ばかりでした。年齢も幼い子から年配の方まで様々な女性が黄色い声を上げています。
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