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イケメンでもいるのでしょうか。
二人が近づくと人だかりを掻き分け、背の高い女性が現れました。風に吹かれる黄金色の長い髪の毛が三つ編みに束ねられ、獣の尾のようにも見えます。纏っているドレスも黄金で、色とりどりの花が鏤められていました。
誰がどう見ても新聞の記事に書かれていた女性です。
ファンらしい彼女達が女性にサインを求めています。笑みを浮かべ、ファンサービスをする女性はふと二人に視線を向けました。
物騒な獲物を持つ二人は怪しいとしか言えません。
女性のボディーガードと思しき男達は怪しげな二人を見つけ、慌てて駆け寄ってきました。当然警戒される武器を持っているのですから、テロか殺人者にしか見えないでしょうね。
「おい! そこ二人! 止まれ!」
「どうします。抵抗もしくは――」
「嫌な誤解は生みたくない。大人しくする」
ボディーガード達は懐から銃を取り出し、両手を挙げるように指示しました。
大人しく両手を挙げた二人から武器を奪い、身元を明かすようにさらに指示しました。それに二人が顔を見合わせ、声を揃えて答えました。
「「魔導書回収専門家です」」
その直後、ボディーガード達は警戒を解き、武器を返しました。
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