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魔導書回収を教会が行っている話は誰もが知っていました。二人の首元には教会の証である鷲と十字架が組み合わさったペンダントがぶら下がっています。つまり、教会の人間であると分かれば、武器を持っていても不審者扱いされないのです。
するとそのやり取りを見ていたのか、黄金の女性は近寄ってきました。その眼には興味津々な色が宿っていました。
「あの、この方達は?」
「はい。教会の方達です」
女性は上品な仕草で頭を下げす。
「初めまして。舞台女優のラプンツェルと申します」
「「…………」」
「明日、私が主役の舞台が行われます。是非、観に来てくださいね。あ、これチケットです」
「ラプンツェル様――」
ボディーガードがラプンツェルの耳元で何かを囁きました。すると血相を変えたラプンツェルは大慌てでチケットを二人に渡し、何処かへ駆け出しました。
茫然と立ち尽くす二人は、互いに顔を見合わせます。
「当たりか」
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