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慌てふためく中、蒼い鈴を付けた仔山羊が声を上げます。
「落ち着け! これはカクテルに毒を盛られていたんだ!」
床に転がる空になったグラスとテーブルの上のカクテル。状況から考えてもそのカクテルに毒が盛られていた、としか考えられません。
ラウンジのバーには狼のウエイターが困り顔で立っています。
勿論仔山羊達はウエイターに詰め寄ります。その場にいた仔山羊達は赤、蒼、黄、白、緑、橙の鈴をつけています。殺されたのは白色の鈴の仔山羊です。
さて、時を戻してみましょう。事件が発生する前——パオ駅から乗車した時まで。
🐐 🐐 🐐 🐐
パオ駅に停車する豪華列車エラビア。
ボロボロになった封筒を握り締めた仔山羊が改札の係員にそれを渡します。因みに鈴の色は緑色です。
それを受け取った係員は眉を寄せながら封筒の中身を拝見します。
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