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「おんやぁ? もしかしてそこのデ——ごほん! 太ったマダムが食べようとしたんじゃないですか? ほら、デ——太ったマダムは大食いって言いますし」
思わず「デブ」と言おうとした可愛らしい少女は、見た目に反して口が悪いのです。にやけながら顔を赤らめるマダムをからかっています。
一方隣に立っている探偵風なベストと黒のズボンを履いた少女は、興味なさそうにしています。それよりもベルトからぶら下がっているホルダーの中身に、誰も指摘しないのは些かどうかと思いますが。
「それよりも自己紹介と事件当時何処にいたか、話しませんか?」
カオスになりそうな中、冷静な口調で言ったのは爽やかなシェフです。
その指摘に全員が「あー」と思い出したように頷き、順繰りに自己紹介を兼ねて事件当時について語り始めました。
🐐 🐐 🐐 🐐
「まず私は——」
最初に口を開いたのはマダムでした。
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