恐怖幻夜特急 Sentence.1

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「おんやぁ? もしかしてそこのデ——ごほん! 太ったマダムが食べようとしたんじゃないですか? ほら、デ——太ったマダムは大食いって言いますし」  思わず「デブ」と言おうとした可愛らしい少女は、見た目に反して口が悪いのです。にやけながら顔を赤らめるマダムをからかっています。  一方隣に立っている探偵風なベストと黒のズボンを履いた少女は、興味なさそうにしています。それよりもベルトからぶら下がっているホルダーの中身に、誰も指摘しないのは些かどうかと思いますが。 「それよりも自己紹介と事件当時何処にいたか、話しませんか?」  カオスになりそうな中、冷静な口調で言ったのは爽やかなシェフです。  その指摘に全員が「あー」と思い出したように頷き、順繰りに自己紹介を兼ねて事件当時について語り始めました。  🐐 🐐 🐐 🐐 「まず(わたくし)は——」  最初に口を開いたのはマダムでした。
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