恐怖幻夜特急 Sentence.1

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「「「私達は三号車に一緒にいました」」」  お姉さん達は三つ子のように声を揃えて言いました。因みに名前はケイ、ミカ、イラと綺麗に二文字で、姓はヒルンと言います。本当に三つ子のように見えますが、ただの同姓で似た容姿なだけです。  ラウンジから三号車は一番遠いため、短時間で毒を盛るには無理があります。 「もう仔山羊が犯人でいいんじゃないですか? 面倒くさいし……ほら、七匹分の名前って一々覚えられないし」  何と出鱈目な推理でしょう。この我が儘な彼女はシャルルです。ご存知の通り、主人公です。と言う事なので隣にいるのはやはりデビル・ハンターです。同じく主人公です。  つまり、主人公は除外されます。 「貴女達が犯人じゃないの! 主人公枠だからって可笑しいじゃない!」 「えー、ほら何とか十戒? とかで言っていたじゃないですかぁ。主人公を犯人にしちゃ、何とかと」 「メタい話は終わりにして、こちらは部屋に籠っていた。それに……」  デビル・ハンターは何かを言おうと口を閉じました。どうやら言おうか考えているのです。それほど物語の革新的なことでしょうね。
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