父として、母として

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   アクアマリンふくしまの後はそのすぐ側のイオンでお買い物。 「晩ご飯は何がいい?」 「そうめんスライダー!!」 「またぁ?」  昂輝、それやったばかりでしょうが。 「昂輝達の好きな物で良いよ、あとは酒のアテがあれば良いんだろ。刺身を買って、天ぷらとかもあればいいおかずになる」 「俺と夏那は鶏の唐揚げがいい!」  昂輝、夏那を巻き込むな。まぁ、天ぷらのついでに唐揚げもするか。 「よし、じゃあそのお買い物をしましょうね」  昂輝がカートを押しながら振り返る。 「お母ちゃんなんか買って!」 「え〜…」  思わず櫂を見る。櫂は苦笑している。 「消費税込で一人300円まで、しっかり計算しろよ」 「了解!夏那行くぞ」  ちゃっかり長男はそれでも夏那の手を引いていく。カートはしっかりほっぽって。 「全く、あのちゃっかりさん加減は誰に似てるやら」 「洸だろう」  即答に反論が出来ないわ。  昂輝が置いて行ったカートを押しながら、私は一勝一敗の意味を噛み締めていた。      夕方には家族みんなとエルンストさんも揃って、相変わらず賑やかな我が家の夕食だ。  エルンストさんとお父さんがそうめんスライダーを組み立てている横で私とお母ちゃんが天ぷらと唐揚げだ。 「お父ちゃん、昂輝と夏那をお風呂に入れて」  二人だけにしちゃうと遊んじゃって出てこなくなるからね。実家のお風呂はマンションのよりも広くて、お父さんが子供達の為におもちゃをいっぱい置くもんだから余計に。 「分かった、ほら昂輝も夏那も来い」  二人を連れてお風呂に行ってくれた。  私が子供の頃は櫂が私をしっかりお風呂に入れて洗ってくれたものだけど、昂輝はその点はまるでダメ。もう夏那と一緒にひたすら遊んじゃって、最後にはのぼせちゃってくたっとしてる。何度も夏那が私を呼びに来た。  あの昂輝の考えなしな所は、本当に私に似ててすごく怖いわ、一勝一敗の呪いがここにも。  もうそろそろしっかりして欲しいと、自分の事を棚にあげた母はそう思うのであった。
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