僕とまりあさま

6/7
100人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
次の日も、その次の日も、僕らが出会って一週間が過ぎようとしている今日も、まりあは物理教室に来た。 それどころか、いつしかマシン製作メンバーで一緒に下校をするほどになっていた。 ……勝手にしろ、もう。 『ねえ吉明せんぱい、せんぱいはあんなに凄いマシンを作っているのに、手伝いたいっていう人は他にいないんですか?』 帰り道、まりあはいきなりこう切り出した。 「当たり前。クラスメイトには頭のおかしい物理オタクとしか思われてないからさ」 考えれば虚しくなるが、紛れもない事実だ。 『冷たいですね』 夕焼け空を眺めながら、まりあはちょっと怒ったように続ける。 『人の個性も理解できないなんて、ばかみたい』 まりあの表情は、すねているようにも感じられた。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!