僕とまりあさま

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「人事とは思えない言い方だけど」 『そうなんです。聞いてもらえます?』 スケッチブックのページをめくって、いつもより細かい字を並べ始める。 手紙のような字が書かれるのを、僕はなにも言わずに見つめた。 しばらくして渡された紙の内容はこうだ。 『高校に入る前から、学校ではよく仲間外れにされていました。 こうやってコミュニケーションも取れるのに、私がしゃべれないってだけで。 皆は特に意識してやってないのかもしれないですけど、自分達と違う人を廃除する本能みたいなものなんですかね?ずっと友達も少なくて。 だからせんぱいの気持ち、少しだけ分かるような気がします』 僕はただ紙に視線を落として、黙っていることしか事しか出来なかった。
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