ランチタイムを共に。

8/13
前へ
/90ページ
次へ
「多分、僕のせいだ」 まりあとの会話での実感を僕は正直に口にした。 「僕のせいって、なんだよ。吉明が追い出したんじゃないだろ」 「そうだけど、結局まりあは来なかった。そうさせたのは僕だ」 光希はこめかみを押さえて考え込む仕草。 人の感情ほど抽象的で感覚的な物はない。 理解しようとする方が無茶だ。 「ちゃんと言ってくれないと、よくわかんねぇよ」 「だから、本人ですらわからないくらい難しい事なんだよ」 なんだか、光希にもまりあにもイライラとしてきた。 結局この日の作業は鬱々とした気分に阻まれて、どうにもはかどってくれなかった。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

100人が本棚に入れています
本棚に追加