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「なるほどー」
全ての話が終わると、菖子さんが笑顔のまま相槌をうった。
「あたしには、まりあちゃんの気持ちなんて解らないけど、でもさ、誰も悪くないよ。少なくとも、あの娘はそう思ってる」
「……はあ」
いまいち、納得できない。
「はあ、じゃないよっ!!」
パリっとしない返事に、菖子さんは鬼の形相、ものすごい剣幕で怒鳴った。
思わず三歩程飛び退く。
「まりあちゃんはさ、自分と違って人の役に立つ個性を持ってる吉坊が、その個性を無駄にした事に怒ったんじゃないの!?吉坊はひどい鈍感だから解らないかもしれないけど」
怒る?悲しむじゃなくて?
「……やっぱり解ってないねえ、悩める少年。兎に角、明日まりあと話してみな」
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