100人が本棚に入れています
本棚に追加
本当は、まりあの教室に行くつもりなどこれっぽっちもなかった。
下手に僕が顔を見せれば傷付いてしまうかもしれない。
それなら来るまで待とうと、来たくないなら仕方がないと、さんざん考えた末に決めたから。
しかし、考えすぎというのは時に障害となるようだ。
光希や菖子さんの考えは浅はかかもしれない。賢くはないかもしれない。だけど……
少なからず僕は、まりあに戻って来てほしいと思っていたんだと気付かされた。
たまには、自分の欲求を伝える事も必要だ。
4時限目が終わると、僕は教室を飛び出していた。
最初のコメントを投稿しよう!