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自室にて。
千景「はあ…」
リボン帯を外しベッドに寝転がる。
鞄からスマホを取り出すとSNSを開く。
千景「ふふ…」
千景「はあ…こうしてベッドでゴロゴロしてると落ち着くわ。
いつもの淑やかで慎ましやかな生活にも飽き飽きしてきたわ」
「それなら…」
千景「え…?」
千景が振り向いた先から目映い光が現れた。
千景「きゃ…!何…何なの!?」
光が消えた先に小さな男の子。
「おハロー…いや、こんばんはー…おばんですー」
千景「…」
「…?」
千景「き…き…」
「ん?」
千景「きゃああ…むぐぅ!」
悲鳴をあげようとする千景の口を右手で塞ぐ男の子。
「静かに。大声をあげると御近所さんに迷惑だろ?」
男の子の指摘にコクコクと頷く千景。
男の子はふっと笑って千景の口から手を離した。
千景「それで…貴方は誰なの?」
玲央「俺の名前は玲央。
君の願いを叶えにこの地に馳せ参じた神様さ」
ドヤッとした顔でしれっと答える玲央。
しばしの間。
千景「(内心:何この人…いきなり現れて…
それに神様ですって?
危ない…人?)」
玲央「俺は危ない人じゃないぜ?」
千景「Σどうして分かったの!?」
驚く千景に玲央はにしし…と笑って、
玲央「神様だって言っただろ?
神は万能なのだ。
心を読むなんてお茶の子サイサイだぜ!」
千景「そ…そうなのね」
玲央「お前の事も全部知ってる。
桜十条 千景。
由緒正しき桜十条家の令嬢。
容姿端麗、成績優秀な完璧な美少女。
そして最近の悩みは…」
ズイッと千景の真ん前に来る玲央。
千景「きゃ…」
玲央「お嬢様暮らしに飽き飽きして刺激を求めてる。
下々のやるような事をやってみたい…だろ?」
千景「え…ええ」
千景「(内心:本当に何でも知ってるんだ…)」
玲央「契約だ」
千景「契約?」
玲央「俺が毎晩ここに来てここから連れ出してやる。
その代わりお前は俺にお前の大事な何かを捧げるんだ」
千景「大事な何か…いったいそれは何なのかしら?」
玲央「んー…例えば…」
千景の問いかけにニヤリとして舌を舐めずりながら答える玲央。
玲央「お前の処女を奪う…とか?」
千景「な…!?」
玲央「女にとって大切な物と言ったらそれしかないだろ。
お前の快楽に溺れた顔…絶対可愛いだろうなぁ…」
千景「え…あの…いきなりそんな事言われても…私…」
玲央「神である俺様との契約だもん。
それくらいやって当然だろう?」
千景「う…うう…」
しばらくの間。
玲央「ぷぷっ」
千景「…え?」
玲央「冗談だよ。流石にそこまでしないって。
本当にお前の大切な物でいいからな」
千景「も…もお!」
玲央「それで?俺との契約の見返りに何を差し出す?」
千景「んー…」
千景「(内心:何がいいかしら。
小さい頃にお父様に頂いたピアノ?
桜十条家の家柄?
それともぬいぐるみのくまちゃんかしら)」
玲央「決まったー?」
千景「ちょっとお待ちになって!
今考えているから!」
玲央「ふーん」
言いながらいつの間にか千景の横に寝転がり漫画を読んでいる玲央。
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