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千景「ちょっと!
何勝手に読んでるのよ!」
玲央「んー…これ?
そこにあった漫画。
ええと…雪の瞳のシルエット…だって」
千景「私の愛読書!」
玲央「これ、典型的でベタな少女漫画だな。
こんな恋愛に憧れてるわけ?」
千景「ち…違っ!」
玲央「よし、決まった」
千景「な…何が?」
玲央「お前が俺に差し出す物」
千景「何…」
玲央「お前の恋心。
俺がお前の最初の男になってやるよ」
千景「え…!?」
玲央「あ、嫌か。
じゃあまた考えればー?」
玲央はそう言い残して再び漫画に目を向けた。
千景「…いいわよ」
玲央「んー?」
千景「私、貴方と契約するわ。
私の恋心…貴方に差し出してあげるわ。
でも私と貴方はついさっき会ったばかりよ。
そう簡単に落ちないんだからね!
この私の願い…叶えさせてあげる!」
千景の強気な態度に再びニヤリとする玲央。
玲央「いいねぇ…その攻撃的な目付き。
(内心:てか震えてるじゃねえの…そそるわ。)
よし、決まりだな…契約成立だ。
さて、契約の儀式に移る。
そこに立って目を閉じな」
玲央の言われるがままにベッドからおりて玲央の前に立つ千景。
ぎゅっと目を閉じた。
玲央はふう…と一息つくと額にそっと口づけた。
千景の体が淡い光に包まれる。
千景「(内心:何…!?
体がほんのりと暖かい…)」
玲央「(内心:やべぇ…こんな事までしなくてよかったんだが…つい)」
千景の額から口を離し思わず千景の体を軽くハグする玲央。
玲央「(内心:もう少し…このままでいいかな…なんて)」
千景「(内心:なんか抱かれてない?
これも儀式のうちなのかな)」
玲央「(内心:千景も勘違いしてるし、いっか)」
するすると玲央の手が千景の尻に伸びた。
千景「てゆうかどこ触っているのよー!」
千景は玲央を突き飛ばした。
玲央は仰向けに倒れる。
玲央「いてぇ!」
千景「だって貴方…私のお尻…触ったでしょ!?」
玲央「すまん…つい…うお!?」
謝ろうとした玲央の目先にマジックハンドが伸びた。
千景「私に手を出したらどうなるか…思い知ることね!」
玲央「す…すみません…それ早くしまって」
千景「ふん…」
鼻を鳴らしながら千景はマジックハンドを下ろした。
千景「それはそうと…さっきので儀式は終わったのよね」
玲央「あ、ああ。まあな」
千景「じゃあ早速だけど、家から連れ出してくれる?」
玲央「いやいや今日のところはやめておこうぜ。
もう、遅いしな」
千景「えー…わかったわよ。
じゃあ明日ね」
玲央「ん。じゃ、おやすみー」
玲央はそう言い残して姿を消した。
千景「何なのよ、全く」
千景は怪訝な顔をするのだった。
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