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「会ってどうする気だ?貴様のような女の言葉を簡単にきくような相手ではないぞ」
「そうかもしれません。でも、武将も人の子、話せばわかってくださるはずです!」
「殺されるかもしれねぇのに、会いたいってのか?」
「はい!」
無謀なのはわかってる、殺されるかもしれないことも。
それでも私は会わなきゃいけない、会って愛を知ってもらわなきゃいけない、それが、私がこの世界に連れてこられた理由なのだから。
「貴様がそこまで真剣になる理由は知らんが、同盟を結ぶのが願いなら叶えてやる。信玄には俺から書状を出す、甲斐への同行は秀吉に頼むとする」
「ありがとうございます!」
「だが、信玄達が同盟を結ぶかは貴様次第だ」
「はい!」
何とか信長様のお許しが出て信玄さんの城へと行けることとなり、私は自室へと戻るとこれからのことを考えた。
同盟を結んでくださいなんて言っても簡単に了承してもらえないのはわかっている、まずは皆に愛を知ってもらうところからじゃないと。
でも、こんな願いを聞いてくれるなんて思わず、最初に出会った頃の信長様とは変わっていることを実感する。
私が明日のことを考えていると部屋へ秀吉さんが訪ねに来た。
秀吉さんが言うには、信玄さんからの了承をもらい、好きなだけ滞在しても構わないということだ。
愛を知ってもらうのはすぐには無理だと思っていたので、好きなだけ滞在を許可してもらえたのはありがたい。
信玄さんの書状には、甲斐への城に行くのは私のみと書いてあったらしく、秀吉さんが同行してくれるのは甲斐の城近くまでだ。
城に着いてから先は私だけ、秀吉さんには一人なんて危険だって止められたけど、私は逃げることはできない。
武将に愛を知ってもらうのがここに連れてこられた理由だけど、それとは関係なく私が信玄さん達にも愛を知ってもらいたいって思ってる。
信長様達のように愛を知ったら、きっと戦も減る、それどころか、これだけの有名な武将が同盟を結べばなかなか戦になんてならないはずだ。
私はその日、色々なことを考え眠りへとついた。
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