ふこうにならないこと。

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8歳も離れているのに、彼女は若々しくて美しい。 27歳には見えない人だ。 彼女の首にはシルバーのネックレス。 私の足首にはゴールドのアンクレット。 もうずっと外していないから、私のはゴールドのメッキが剥がれ始めてシルバーに近い色になっている。 私と彼女の関係は、所詮家族と言われるモノだ。 兄のお嫁さんで、義姉にあたる。 歳の離れた兄は私のことが好きではない。 かくいう私も兄が苦手だ。 昔は仲の良い兄妹だった。 兄がまだ中学生で、私が5歳のくらいの話だが。 私は兄を慕っていたし、兄は私を可愛がってくれた。 でもだんだんと、離れてしまった。 最初は些細な喧嘩だったと思う。何気なしに兄が私を叩いたのだ。 鈍い音が私の頬から鳴った。それが始まりだった。兄は喧嘩になると、私に手を出すようになった。 もう慣れてしまっていたのだろう。 私も兄も。悪気もなく手を出すことを、理解しなくても手を出されることも。 それを両親は止めるでもなく、ただ見ていた。 見て、微笑ましそうに、笑っていた。
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