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それから、何年かの月日が経ち、お姫様は、たいへん美しい少女になりました。
でもどこか、変なのです。
お姫様は、いつも笑っていました。
楽しい時はいいのです。
けれども、みんなが困っているときも、悲しんでいるときも、お姫様はいつも楽しくて仕方がないのでした。
愛犬のエルが亡くなった時にも、お姫様は嬉しそうに微笑んでいました。
いつもお姫様を大事に育ててくれたばあやが亡くなった時ですら、お姫様は笑っていたのです。
「おまえは一体、どうなっているんだ!」
王様は、お姫様に怒鳴りました。
けれどもお姫様は、なぜ自分が叱られているのかわかりません。
「まあ。お父様の怒ったお顔なんて、初めて見たわ」
と、嬉しそうに笑っています。
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