幸福なお姫様

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 こんな調子でしたから、お姫様はだんだんと、皆に疎まれ、避けられるようになっていきました。  お姫様は、なぜ自分が嫌われるのかわかりませんでした。  ですから、賢い魔法使いに相談しました。  それは、お姫様に「いつも笑っていられるよう」魔法をかけた魔法使いでした。  魔法使いは、お姫様がみんなに嫌われるのは、自分のせいだと思いました。  そして、人には悲しみや苦しみがあることを説明し、そんなときには、みんなの前で笑ってはいけない、と諭しました。 「まあ。そうだったの」  賢いお姫様は、自分が悲しみや苦しみを理解できず、皆を傷つけていたことを悟りました。  けれどもやっぱり、本当には、悲しみや苦しみを感じることができなかったのです。 「私はこのまま、誰にも共感できずに、一生を過ごすのだわ」  そう思ったとき、初めてお姫様の目から、涙がこぼれました。
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