幸福なお姫様

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 あるところに、とても優しい王妃様が住んでいました。  王妃様は、皆に慕われていましたが、とても病弱な方でもありました。  あるとき、王妃様は、かわいい女の子を出産しましたが、それが原因で、体調が回復せず、とても重い病にかかってしまわれました。  王妃様の命は、あと幾ばくも無い、と医者が言いました。 「何か、望みはないか」  王様は悲しみながら、王妃様にお尋ねになります。  王妃様はおっしゃいました。 「どうか、この大切な姫が、いつどんなときも、笑って過ごせますように」  王様は泣きながら、 「わかった、大切に育てるよ」と、おっしゃいました。  それから数日して、王妃様はお亡くなりになりました。  ところで、この王妃様の最後の願いを聞いていた、ある善良な魔法使いがおりました。  魔法使いは、王妃様のことを大変尊敬していたので、その願いを叶えて差し上げたいと思いました。  そして王様のところへ行き、姫に魔法をかけました。 「いついかなるときも、姫様が幸せで、笑ってお過ごしになれますように」
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