孤立

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願っていないのに目覚めてしまった 端末のデジタル時計は 21:02 「まだ今日じゃん」 最悪な一日を思い出すと吐き気がする フローリングの上で 震え続ける携帯に視線を落とすと 【田嶋一平】 フッと笑うとパソコンからメールを送った [依頼は急ぎも含めて全てメールで] それだけ送ると震える携帯の着信を拒否にした 「さて、始めますか」 二ノ組の仕事始めは この要塞にいる人員整理 バトラーから護衛まで全て田嶋組の組員だった そこに加わった天井さんと颯 それらを頭に浮かべながら 部屋着のまま一階下へ降りた 「愛!」 「愛様」 「お腹空いた」   「はい、直ぐに」 バタバタと動く天井さんを見ながら 椅子に座ると 眉間に皺を寄せた颯が目の前に座った 「一平さんが心配してる 携帯も電源落ちてるし・・・」 「黙って」 勢いのまま喋る颯を黙らせると 天井さんが料理を並べ始めた この味付け好きだったな 煩い颯と居ることも実は楽しかった 黙々と食べながら思い出していた 「天井さんコーヒーお願い」 「はい」 食事が終わると末席に座っていた二人を呼んだ 「二ノ組としての仕事を始めるのに 必要な人選をすることにしたの」 どこか神妙に聞いていた二人 「颯と天井さんには此処を出て行ってもらう」 「「え?」」
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