みーくんと乙女の涙

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 昨夜は、みみずの大宴会があったのでした。月の光もさやさやと、銀色に輝く夜でした。大みみずはこのあたりでは「みみずのみーくん」と呼ばれて一目置かれておりました。 「ハイ、みーくんの! ちょっといいとこ、見てみたい! それ、一気、一気、一気一気一気!」  若くてほっそりした桃色の美しいみみずにノセられて、みーくんはついつい深酒をしておりました。 「ウィック! いやぁ、まいったなあ。もう飲めないよぼくは」 「またまたぁ。あなたほどの大みみずが、そんな弱いことでどうします。それじゃあ示しがつかなくってよ、うっふん!」  このみみず、男をその気にさせるのがやたらとうまいのでございます。まるで手のひらで転がすように、おだてたりスネてみたり、身体をくねくねさせるもので、みーくんはすっかり骨抜きでございます。いやいや、はじめから、みみずには骨はありませんでしたね。とにかくデレデレに酔っ払ったみーくんは、いい気持ちで身体を伸び伸びと夜風にさらして、一の字になって土の上でぐでんと転がっておりました。
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