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「ふぃー、酔った、酔った! ぼくも毎日土を耕して、こねて、混ぜて、こう見えてストレスが溜まっているのだよ。まあ、若いきみらには、分からないだろうけどねえ」
「はあ、そうなんですか」
気がつけばみーくんの周りには、あの美しい桃色みみずはいなくなっていて、出来上がった青年みみずたちがゆらゆらしながら適当に相槌を打っています。
酔っ払ったみーくんはいい気分になっておりますから、迷惑がられているのもおかまいなしに、大声で武勇伝など語っております。
「だいたい最近の若いみみずは根性が足らんな! これはゆゆしき、事態であるぞ。みみず界全体の民度の問題なのだぞ。ぼくの若い頃はこの公園の改装工事をしていて、毎日おそろしいユンボが土をひっくり返しては、だなぁ」
「へえ、へえ。そいつはつろうござんすね」
「つらいなんてぇ、生ぬるいもんじゃあ、ない。お前も一度食らってみろ。ぼくの仲間のみみずが何びきも、身体を引き裂かれてあれは壮絶な体験だったなぁ。こちとら何も悪いことしてないのに。ウィック、ふぃ~」
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