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正直に話してみた
それから数か月後。皆で外出をする機会があった。
幸い島田はいなかったので、私は参加した。
外出の時、島田は9割の確率で来てしまうので、私は参加することが少なく、これが2回目の参加だった。
さてさて。この日のの参加者は職員の太田さんと東さん、利用者の火村さんと石沢さん、そして私だった。
電車の中、職員さんは利用者さんを優先的に座席に座らせてくれたので、火村さんと石沢さんと私で座席に座り、女子トークをしていた。
その時に私は思い切って、
「実は私、島田さんが苦手なんですよ」
と話してしまったのだ。
すると石沢さんはこう返した。
「それ、みんな同じですから」
私は
「やっぱりそうですか」
と返した。
「あの人なんか偉そうで、そこが嫌なんですよね」
私が言うと、
「あのね、火村さんなんて島田さんに、“うるさい!”って怒鳴られたことがあるんだよ」
石沢さんはそう言った。更に、
「私は島田さんが入ったばかりの頃に大喧嘩したことがあって、それからあちらからは話しかけてこないけどね」
と話してくれた。
また更に石沢さんは言う。
「雷中さん、カラオケってまだ参加したことなかった、よね?」
私は
「はい。いつも島田さんがいたから」
と言うと、
「参加しなくて良かったですよ。
島田さんの歌、どんな感じか知ってます???
もう、すごいですよー……
叫ぶんですよ、絶叫するんですよ」
すると火村さんが口を開き、
「テンション上がると踊り始めるよね」
と加えた。
「そうそう!なんか、スイッチ入っちゃうのかなー…」
そんなことを言った。
「だけどね、カラオケも参加人数多ければ、じゃんけんで部屋を分けるの。
職員さんに島田さんが苦手ってことを話しておけば、同じ部屋にならないように配慮してもらえるかもしれないよ?」
石沢さんはそう助言してくれた。
「そうですか…!?じゃあ私、カラオケも参加してみます」
私は新たなプログラム参加の可能性に、目を輝かせた。
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