虐待事業所B

職員による嫌がらせ…？

　さて。
　カラオケの際に同行する職員は基本的に東さんだったが、年が明けてから角もカラオケ同行に対応するようになった。

　そして角がカラオケ同行する時は、参加者が多くても、なぜかこんなことを言う。

「部屋分けはしませんからねー…人数多くても大部屋借りればいいんじゃないですか…？」

　ちなみに角よりも後輩の東さんは、部屋分けに応じてくれるのに、なぜだ！？？

　理由を問うても、「だって1部屋でいいじゃないですか」と無表情に、そして薄ら笑いを浮かべて言う。
　私に対する嫌がらせとしか思えなかった。なので私は角がカラオケ同行の際は、カラオケに参加しなくなった。

　更にその時期。ある女性利用者、冬田さんが通所を始めた。
　冬田さんはトイレの後に手も洗わず、しかも調理実習の際も手を洗わないような人だ。それを職員も注意しない（というか見ていない？）。
　そして冬田さんはやたらトイレにこもり、更には冬田さんの後のトイレはとても汚い。
　冬田さんは、甲高い声が特徴的な人だった。

　冬田さんは推定50手前ぐらいの年齢だったが、30歳の本多さんに付きまとい行為をしており、本多さんが太田さんに相談をしていたらしい。

　ある時、掃除の時間。
　異常に汚いトイレ掃除を私がやることにした。トイレは先週から汚かったのに、女性職員の角は放置しており（野高は相談員であり、どうも他と兼業してる嘱託勤務らしくいないことも多いため、掃除はノータッチ）、それを私が掃除することになったのだ。
　角にやらせても、ちゃんとやらなさそうだったし。

　汚物入れの中には、ずっしり重たい尿取りパットがあった。
　とても臭かったが、なんとか処理した。
　介護職の経験があるため、こういうことは慣れていたが、この尿の主は恐らくトイレに立て篭る冬田さんだろう。

　健康メニューを食べている利用者と異なり、不健康なコンビニ飯やお菓子ばかり食べているためか、それは強烈な悪臭を放ち、鼻先を刺激したー……

　角は何も対応せず、声かけもせず、楽な作業をしながら私の様子を見ていたー……

　それから数日、その悪臭が鼻先から離れなかった。