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クーデター
新しい事業所では平和に過ごした。職員さんたちは「利用者さん第一」で考え、何か相談があればすぐに対応していた。
相手が誰であれ、利用者さんには注意するべき点は注意をしていた。
そんな中、私はたまに本多さんとLINEで連絡を取り合っていた。
私が辞めてから更に島田の横行しているそうで、本多さんもストレスがすごく、事業所通所を週1以下にしているらしい。
「いや、ほんとやめてよかったですよ!」
本多さんにはそう言われたので、
「本多さんも来たらどうですか?」
と誘ってみたら、
「いや、自分はもうすぐ卒業ですから、良いですよ」
とのことでした。
そんなある日、B事業所でクーデター?が起きた。
本多さんは島田に「〇ね」と言われたらしい。
まあ、島田はよくそのような発言を笑いながらしていた。
島田は卒業した利用者について、
「あの人来ないっすねー。〇んだんじゃないっすか?」
なんてニヤニヤ笑いながら発言していたのだ。
というか島田は、その場にいない人の悪口ばかり言う。
明るく気さくな本多さんも、そんなこと言われて何も感じないわけではない。
そのことについて角に報告したが、
「それじゃあ、挨拶する以外は無視してれば良いじゃないですか」
と一蹴されたらしい。
それでずーっと、島田や角についてイライラしていたらしく、ある日面談室で本多さんが角に対して遂にキレたらしい。
「これからの会話、録音して役所に持っていくからな」
と忠告しておいてから、本多さんは角に対し、
「お前に上原さん同様のことは望まないし、お前は上原さんみたいには絶対なれないけど。
だけどせめて、仕事しろよ!
もう20代半ばだろ!??頑張れよ」
といったことを言い放ったらしい。
角はまた泣きそうな顔をしていたのだろうか???
マスクをしていて表情は良く分からなかったらしいが、
「すみません」
とは言ってきたらしい。
更に本多さんからLINEが届く。
「というかごめんなさい、雷中さんの名前、出してしまいました」と。
どうやらそれから角に、
「雷中さんかわいそうじゃね!??
職員が誰も対応しないで、相当心に傷追ったんじゃね!??
生活訓練をするはずが、利用者追い詰めてどうするんだ!!
まともな対応できないなら、生活訓練と掲げた看板、下ろした方が良いですよ」
と言ったらしい。
すると、
「事業所外で起こったことは対応困難ですが、事業所内で発生したことは可能な限り対応していきます」
ということになったらしい。
けれども本多さんはもう事業所に行く気も起きず、更に通所頻度は減ったらしい。
一方私は、新しい事業所で楽しく平和に過ごしていたー……
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