クーデター

1/1

11人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ

クーデター

 新しい事業所では平和に過ごした。職員さんたちは「利用者さん第一」で考え、何か相談があればすぐに対応していた。  相手が誰であれ、利用者さんには注意するべき点は注意をしていた。  そんな中、私はたまに本多さんとLINEで連絡を取り合っていた。  私が辞めてから更に島田の横行しているそうで、本多さんもストレスがすごく、事業所通所を週1以下にしているらしい。 「いや、ほんとやめてよかったですよ!」  本多さんにはそう言われたので、 「本多さんも来たらどうですか?」  と誘ってみたら、 「いや、自分はもうすぐ卒業ですから、良いですよ」  とのことでした。  そんなある日、B事業所でクーデター?が起きた。  本多さんは島田に「〇ね」と言われたらしい。  まあ、島田はよくそのような発言を笑いながらしていた。  島田は卒業した利用者について、 「あの人来ないっすねー。〇んだんじゃないっすか?」  なんてニヤニヤ笑いながら発言していたのだ。  というか島田は、その場にいない人の悪口ばかり言う。    明るく気さくな本多さんも、そんなこと言われて何も感じないわけではない。  そのことについて角に報告したが、 「それじゃあ、挨拶する以外は無視してれば良いじゃないですか」  と一蹴されたらしい。  それでずーっと、島田や角についてイライラしていたらしく、ある日面談室で本多さんが角に対して遂にキレたらしい。 「これからの会話、録音して役所に持っていくからな」  と忠告しておいてから、本多さんは角に対し、 「お前に上原さん同様のことは望まないし、お前は上原さんみたいには絶対なれないけど。  だけどせめて、仕事しろよ!  もう20代半ばだろ!??頑張れよ」  といったことを言い放ったらしい。  角はまた泣きそうな顔をしていたのだろうか???  マスクをしていて表情は良く分からなかったらしいが、 「すみません」  とは言ってきたらしい。  更に本多さんからLINEが届く。 「というかごめんなさい、雷中さんの名前、出してしまいました」と。  どうやらそれから角に、 「雷中さんかわいそうじゃね!??  職員が誰も対応しないで、相当心に傷追ったんじゃね!??  生活訓練をするはずが、利用者追い詰めてどうするんだ!!  まともな対応できないなら、生活訓練と掲げた看板、下ろした方が良いですよ」  と言ったらしい。  すると、 「事業所外で起こったことは対応困難ですが、事業所内で発生したことは可能な限り対応していきます」  ということになったらしい。  けれども本多さんはもう事業所に行く気も起きず、更に通所頻度は減ったらしい。  一方私は、新しい事業所で楽しく平和に過ごしていたー……
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加