衝撃

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 新しい事業所は、「利用者さん第一精神」だった。  私が、前の事業所でトイレ掃除をしていたことを話すと、 「えっ!??それは職員がやるものじゃないんですか!??」  と驚かれた。  それから前の事業所であったことを話すと、 「ここではあり得ませんよ。前の所のお話聞いてると、びっくりすることばかりなんですが」  と驚かれた。  更にはある男性利用者さんに、 「もしかして雷中さんって、B事業所にいました???  自分もあそこ通おうとして見学まで行ったんですが、それから連絡がなく、こちらから何度、営業時間中に電話しても誰も出ないんですよ」  と話していた。  もしかしたら電話した時間は、外出プログラム中だったのかもしれない。何か事情があったのかもしれない。  だけど「何度か営業時間中に」「電話して出ない」のが本当であれば、居留守か…!??  いや、あり得る話だ。この男性利用者さん、苦情をはっきり言うタイプだし、何よりB事業所に通所しようもんなら、島田とぶつかってトラブルになりそうだから。  なので、「強制排除」されたのか…???だとしたらひどい話だ。  だけど結果としてA事業所に通所できて、本当に良かった良かった。  A事業所ではプログラムがあまりない代わりに、好きに過ごすことに重きを置いており、それぞれ塗り絵をしたりハンドメイドをしたり、ジグソーパズルをしたり動画を見たりしている。  たまには皆で雑談会になることもあり、恋愛トークから病気についての話まで、幅広く様々なトークが繰り広げられていた。  月1ペースで調理実習もあるし、事業所の畑もあり、そこで野菜を育てているそうで。  一方B事業所では、相変わらず島田が威張っているらしく、更に新しく入った女性利用者たちに付きまとい行為をして、その女性利用者たちに避けられているらしい。  更に島田は、 「この路線、人身事故多いから、“あなた方は人の命で飯食ってるんですか???”とクレーム入れておきましたよ~」  なんて発言をしていたらしい。  本多さんが月に1~数回事業所に行くたびに島田はいて、毎回不快な言動を取っているらしい。  本多さんは 「このまま卒業するのは納得行かないので、島田に直接面談室で文句言いますよ」  と話していた。
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