虐待事業所B

最悪だ

私が入る前か私がいないとき、島田と石沢さんがケンカしたらしいが、私が知る限り、会話する時は普通にしている。

　が、石沢さんは島田に不快な言動を取られては、それが体に出ていたらしい。
　島田がストレスで円形脱毛症となっていたそうだし、ある時なんて

「石沢さん、新しいスマホ買ったんですよね？僕に見せて下さいよ」

　と言われて見せたそうだけど、そのスマホを石沢さんに返す際、乱暴にテーブルの上に投げてよこしたそうだ。

　その際石沢さんは、怒りで心臓が痛くなったらしい。

　また、須坂さんが島田にストーキング行為をされていた際に対応していたのは、当然職員ではなく、本多さんや石沢さん達だったらしい。

　本当に職員のやる気がなさ過ぎて、ダメだ。利用者に職員の業務をさせてどうする？

　さて、島田がB事業所に来た経緯は、島田本人がB事業所へ直接問い合わせてきたわけではないらしい。
　B事業所の利用者が、上原さんがいた頃、上原さんに付き添われてかかりつけの心療内科に行ったところ、上原さんが前にいた事業所の利用者、島田が、
「あ、上原さんじゃないですか」
　と声をかけてきて、

「上原さんって今、B事業所に行ってるんですよね。
　僕、前にいたあそこの事業所で、他利用者とトラブルになって暴れて出禁になったんですよ。
　それで、B事業所に通いたいんですが」

　なんてのうのうと言ってきたそうだ。

　それで島田はB事業所に話を聞きに行き、野高が通所可能としてしまったらしい。

　もしこの時に野高が通所にOKしなければ……
もし相談支援員が野高でなく、まともな相談員であれば、前の事業所や担当医にしっかり島田の話を聞いていただろうし、トータル的に考慮して島田の通所は断っていただろう。
そう考えずにはいられなかった。