虐待事業所B

気持ち悪い！

　上原さんが辞めてから1か月後。事件が起こった。

　事業所内には私と島田、そして職員の東さんだけになってしまった。正直私は島田が苦手だったが、

「だけど私はここで人付き合いをまた改めてして行くんだ。
　苦手だからって逃げていたらいけない！
　もしかしたら話したら良い一面も色々見つかるかもしれないし、苦手意識を無くそう！」

　なんて思って島田と少し話をしていたのだ。

　職員の東さんがいたが、物置に入ってしまった。
　すると島田が荷物からメモを取りだした。

「あの、良かったら僕とLINEやメールや電話でやり取りしませんか…？連絡待ってます」

　ニヤッと笑いながらそう言われて渡されたメモには、細かい字でびっちり色々書きこまれていた。

　私はとっさの対応が苦手なため、そのメモを受け取ってしまい、その後困惑して帰宅した（もう閉所時間も近かったからね）

　メモにはだいたいこのような内容が書かれていた。

『雷中さんへ
　あまり話す機会がありませんが、いつも話をしたいなぁって思ってました。
　僕とやり取りしませんか？連絡待ってます(*^^*)
　島田』

　で、そこにはメールアドレスとLINEのID、電話番号が書かれていた。

　というか島田、このメモ作成して渡す機会を伺っていたのか…？？？
『気持ち悪い！！！』
　私は率直にそう思った。

　翌日事業所に行くと、島田がこちらをちらちら何度も見てきた。
　気持ち悪かった。
　なので面談室に行き、東さんに相談をした。

「あの、島田さんにこんなメモ渡されたんですが……」
　すると東さんは、
「あー、これはアウトですねぇ……これは職員同士で話し合いをして対応すると思いますので、いったんこのメモ預かっても良いですか？」
　と対応してくれた。