だまし愛

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しなやかな長い指で膝裏を撫でながら 鋭い焦熱の双眼が、私の全身を射抜く その瞳の奥底にある、氷よりも冷たく尖る唾棄(だき) わかっている わかっているのに抗えない 狂恋の甘い蜜を注げば いつか 冷たい氷に溶けて混ざり合い 私の知らない 貴方の闇を垣間見ることは出来るのだろうか 「(あい)さん…」 丁寧に名前を呼ばれるだけで 私の身体はただ ただ囚われ痺れ始める なぞられる皮膚が粟立ち 恐怖にも似た悦びに 身体が 心魂が 支配されてゆく
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