483人が本棚に入れています
本棚に追加
しなやかな長い指で膝裏を撫でながら
鋭い焦熱の双眼が、私の全身を射抜く
その瞳の奥底にある、氷よりも冷たく尖る唾棄
わかっている
わかっているのに抗えない
狂恋の甘い蜜を注げば いつか
冷たい氷に溶けて混ざり合い
私の知らない
貴方の闇を垣間見ることは出来るのだろうか
「愛さん…」
丁寧に名前を呼ばれるだけで
私の身体はただ
ただ囚われ痺れ始める
なぞられる皮膚が粟立ち
恐怖にも似た悦びに
身体が
心魂が
支配されてゆく
最初のコメントを投稿しよう!