07 コーダ

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 ナカガワは、廊下の隅に彼を追いこんではさむように立ちはだかる。 「シェイカーのくせに」  憎々しげな口調だった。 「何でも小汚い小細工で解決できると思ったら、大間違いだ、このバケモノ」  あまりの言いように、彼もついかっとなる。 「そのバケモノに、汚い仕事を押し付けるのは誰ですか」  ナカガワの顔色が変わった。  口をへの字に曲げ、更に何か罵倒しようとこぶしを前に出した。  だが、急にこぶしをおろす。 「何にせよ、私はオマエのようなヤツは大嫌いだ。仕事が終わったらさっさと消えろ」  サンライズは、何か言ってやろうと口を開きかけた。  が、ナカガワがまた強い口調で 「やめろ、って言ってるだろう?」  とささやく。  目がギラついていた。 「オレの心を読むな」 「しませんし、する気もありません」  なぜここまで憎まれるのかさっぱり判らないが、この憎悪に満ちた思念の中に立ち入っていく気力も今はない。  ナカガワは、声に出さずに息だけで 「オマエらは、いつもそうだ」  そう言い捨て、くるりときびすを返し、去っていった。  いつか支部長に聞いてみようか、あのナカガワに対していつも寛容な支部長。  二人の間に何かあるのか。  それに今、確かに言った。 「いつもそうだ」と。  彼は他のシェイカーについても何か知っているのだろうか。  しかし今は、もうそんなこともどうでもよくなっていた。  サンライズは暗い目をしたままムラカミ・タカユキの待つ面談室へと向かった。
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