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ナカガワは、廊下の隅に彼を追いこんではさむように立ちはだかる。
「シェイカーのくせに」
憎々しげな口調だった。
「何でも小汚い小細工で解決できると思ったら、大間違いだ、このバケモノ」
あまりの言いように、彼もついかっとなる。
「そのバケモノに、汚い仕事を押し付けるのは誰ですか」
ナカガワの顔色が変わった。
口をへの字に曲げ、更に何か罵倒しようとこぶしを前に出した。
だが、急にこぶしをおろす。
「何にせよ、私はオマエのようなヤツは大嫌いだ。仕事が終わったらさっさと消えろ」
サンライズは、何か言ってやろうと口を開きかけた。
が、ナカガワがまた強い口調で
「やめろ、って言ってるだろう?」
とささやく。
目がギラついていた。
「オレの心を読むな」
「しませんし、する気もありません」
なぜここまで憎まれるのかさっぱり判らないが、この憎悪に満ちた思念の中に立ち入っていく気力も今はない。
ナカガワは、声に出さずに息だけで
「オマエらは、いつもそうだ」
そう言い捨て、くるりときびすを返し、去っていった。
いつか支部長に聞いてみようか、あのナカガワに対していつも寛容な支部長。
二人の間に何かあるのか。
それに今、確かに言った。
「いつもそうだ」と。
彼は他のシェイカーについても何か知っているのだろうか。
しかし今は、もうそんなこともどうでもよくなっていた。
サンライズは暗い目をしたままムラカミ・タカユキの待つ面談室へと向かった。
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