ご主人様に裏切られたっ!

壱

アルフィーナ22歳は使用人としてご主人様に仕えているのです。

仕えていると言っても雑用したり、身の回りのお世話をしたり、
そういう事をしているのです。

私とご主人様は婚約関係でありまして、ご主人様から溺愛されている私は
嬉しくて嬉しくて堪らないのです。

ご主人様自身はとあるお屋敷に住んでいるのですけど、私もご主人様と同じで
とあるお屋敷で住み込みで働いているのです。

私が使用人としてお屋敷内でお仕事をしているとご主人様が私の傍まで
寄って来て、私が履いているスカートの裾を持ち上げて、私の穿いているパンツを
見てくるのです。

今日、私が穿いているパンツは花柄で薔薇の絵が描かれているのです。

それを見てご主人様は私の方を見ながら
「今日もアルフィーナらしいパンツを穿いているじゃないか」
と言われるのです。

私は使用人としてのお仕事を中断して
ご主人様の方に向きながら
「パンツ見ないでっ！！　ご主人様のエッチっ！！」
と言うのです。

「穿いているパンツを見たくらいで何も減らないだろう」

「減る減らないの問題じゃありません」

「そういうものなのかよ」

「そういうものなのです」

「まぁいいか、お仕事の邪魔をして悪かったな」

ご主人様は私の元から離れると歩いて何処かへと行ってしまわれるのです。

そんな私は使用人としてのお仕事を再開させて
さっさお仕事を終わらせようとしているのです。

しばらくして使用人としてのお仕事が終わると私は自室へ戻って
ドアノブを回してドアを開けると一枚の紙切れが落ちるのです。

私はしゃがんで一枚の紙切れを手で摑んで拾い上げると中身を確認します。

中身を確認するとこう書かれてあるのです。

「お部屋に来て欲しい」

私はお部屋に来て欲しいというのはきっとご主人様からなので
さっさとご主人様のお部屋へと向かいます。

ご主人様のお部屋の前に到着すると私はドアをノックしているのですけど、
お部屋の中からご主人様のお返事がないのです。

仕方がない私は自室へ帰ろうとした時に、ご主人様と鉢合わせすると
ご主人様は私の事を真剣に見つめながら
「アルフィーナ、婚約を破棄するなっ！！」
と言われるのです。

私はあまりにもいきなり過ぎて状況が飲み込めないのですけど、
ご主人様が婚約を破棄しているのですから、私は黒い瞳を潤ませながら
「どうして婚約を破棄するのですか？」
と言うのです。

ご主人様は笑いながら
「アルフィーナはもう不要なんだよ、わからないのかよ」
と言われてしまうのでした。

私はその言葉を聞いて物凄い不快になっておりまして、
信じられないという気持ちではあるのですけど、
ここまでハッキリと不要と言われてしまうと私も
どうする事も出来ないのですから、潔く受け入れるしかないのでしょうか。

私は溜息交じりで
「わかりましたよ、婚約を破棄されるのを受け入れます」と
言うしかなかった。

ご主人様のお顔は本当に喜びに満ち溢れておりまして、
きっと嬉しいのでしょう。

私は逆にご主人様から溺愛されておりましたのですから、
悲しいと言えば悲しいし、寂しいと言えば寂しいです。

婚約を破棄が成立しているのですから、
私は後戻りする気もないし、このままでいいかなって思います。

ご主人様から婚約を破棄された私はとあるお屋敷で
住み込みで働いていたのですけど、とあるお屋敷から立ち退かないと
いけないのです。

私は荷物をまとめてとあるお屋敷から去るのでした。

本当にご主人様から裏切られた感じはありますけど、
それでも幸せな一時を体験出来たのですから、
ご主人様には感謝しないといけないのかもしれませんね。