VOICE 1 憧れの声優と怖いセンパイ

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『いい加減にしろ。嫌がってんだろコイツ』 どこにでもある、都内の平凡な10階建てのマンション。そこの2階のとある一室。 テレビに映るその光景は、平凡なあたしの部屋をあっという間に癒しの空間へと様変わりする。 場所は校舎裏。ヒロインが俺様男に迫られて困っているとき、片思い中のヒーローが駆けつけてヒロインを抱き寄せながら、さっきのセリフを言った。それも、とてつもなくいい声で。 バターンッ 「ちょっとうるさいわよ!こんな時間だし、近所迷惑になるんだから音量くらい下げなさいっつったでしょ!?」 あまりのテレビの大音量に耐えきれなかったおねーちゃんは、ドアを力任せに開けてすごい剣幕で怒鳴り込んできた。
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